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永遠の0

この映画は、特攻隊で死んだ祖父である宮部とその孫の二つの時代を中心に描かれた作品です。祖父の話は、生き残った元海軍軍人の話から描かれていきます。孫達はその祖父の生涯を聞き取り、臆病者と罵られてなお生き残ることに執着した祖父が、何故特攻隊を志願したのかを突き止めていく話となっております。
 私は原作も読みましたが、原作に比較すると、孫であるきょうだいの話は大分削られています。また、孫達が調査をはじめるきっかけや、調査途中で起こる出来事、宮部について語る元軍人に関して、かなり改変されているところもありますが、映画のテンポを削ぐことがなかったので、これぐらいで良かったと思います。
 この作品に関して良かった点は、まず祖父役を演じた、岡田准一の演技です。軍人でありながら優しい物腰である宮部の短い生涯を見事に演じきっております。後半になるにつれて、宮部の精神が変わっていっていることが、外見と演技の変化から分かりやすくなっております。
 次に良かった点は、演出に関してです。あるシーンにおいて、同じ映像が使用されているのですが、語る人の視点によって撮るカメラの位置が変化しています。また、原作ほど親切に事実を明示していない点があるのですが、想像の余地を残すという点においては、映画の方が良かった点もあります。
 最後に、宮部や特攻隊の隊員に関して単純に賛同、または非難される作りになっていない点です。前半で出てくる元軍人からは、臆病者と罵られてばかりですが、途中から宮部の信条に100パーセント賛同するわけではありませんが、理解者の視点による語りが入ったり、かと思えば宮部を心底憎んでいる人物による語りが入ったりします。戦争や軍事に関しても、単純に反戦あるいは戦争賛美にはなっていません。
 この映画は、とにかく考えさせられる映画だと思います。戦争を経験していない世代にとっては、軽々しくあの時代を語ることが出来なくなるかもしれません。それほど、心に残る映画でした。

永遠の0 Blu-ray通常版

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