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悪魔を見た

『悪魔を見た』はキム・ジウン監督による韓国映画です。
雪の日に、ある女性が婦女暴行を受けて殺されるシーンから映画は始まります。その女性は韓国の諜報機関であるKCIAの職員の婚約者だったのです。
婚約者を殺されたKCIAの男性職員は復讐心に燃えて、犯人を追い詰めようとします。イ・ビョンホン演じるKCIAの男性職員が主人公です。
主人公は様々な情報や機器を駆使して、犯人を特定し、犯人の拘束に成功します。そしてここからが『悪魔を見た』が多くの映画と異なるところです。
主人公は犯人を捕らえた後、犯人にGPSが内蔵された盗聴器を飲ませ、犯人を解放してしまうのです。
解放された犯人は、性的倒錯者に相応しく次々に婦女暴行を働こうとします。その度に主人公であるKCIAの職員が現れて、犯人に暴行を加えるのです。
この『悪魔を見た』は恋人を殺された男性による復習譚なのですが、この点がきわめて優れている点です。
通常の復讐譚であれば、犯人を捕まえるところで映画は終了しますが、『悪魔を見た』では映画の序盤で犯人を捕まえてしまうのです。
しかし、それからが復讐の始まりなのです。
イ・ビョンホン演じるKCIAの職員が、どうやって犯人を苦しめ、追い詰めていくのか。
映画には生々しい暴力が溢れていて、見ているだけで痛みを感じてしまうほどです。
アメリカのハリウッドがこの映画の権利を買ってリメイクしようにも、その残虐性が酷すぎるためにうまくリメイクできないというほどに、暴力の衝撃度は高いものがあります。
しかしその暴力は復讐を遂げるためになされるのです。
韓国は「恨(ハン)」の国だと言われます。歴史上、周辺国から支配されることが多かったために「恨」の感情が根強いと言われています。
復讐譚を取らせたら、韓国に優る国はありません。
映画の終盤、最後に遂げられる復讐の方法は、常軌を逸していて凄まじいものがあります。
そしてその最終的な復讐を遂げた後、主人公は道路を歩きながら泣くのですが、その時のイ・ビョンホンの演技がとても素晴らしい。スタイルが良く色気に溢れ、繊細さと凶暴さが同居している、日本にはいないタイプの俳優さんです。
最近の韓国映画は素晴らしいものが多いのですが、この『悪魔を見た』も間違いなく韓国映画を代表する傑作に違い有りません。

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