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映画レビューブログ

おすすめ映画のレビューブログです

リトルブッダ

『リトルブッダ』はベルナルド・ベルトル監督による英仏合作映画です。
シアトルで普通の生活を送る9歳の少年、ジェシーのもとにチベットより高僧ラマ・ノルブが訪れるところから映画が始まります。ノルブは9年前に亡くなった高僧の生まれ変わりを探して、シアトルまでやってきたのです。
最初ジェシーの母親はノルブに理解を示すのですが、父親は仏教に理解を示さずノルブに心を開きません。しかし、ジェシーの父親の友人が事業に失敗し自殺したというニュースを聞いて父親は心変わりします。ノルブの誘いに応じてジェシーをチベットに連れて行く決意を固めたのです。
ノルブはジェシーに絵本を渡していました。それは仏教の開祖、ブッダに関するもので、ジェシーが絵本を読み進めるに従ってブッダについての物語も進められます。
古代インドのとある王国の王子として不自由のない生活を送っていたブッダが、人の死や病をしり、人々を救うために城から旅立つことから始まる物語です。ブッダは修行を始めますが、途中で荒行の無益さを知り、悪魔からの誘惑を断ち、最終的に悟りを開きブッダと呼ばれるようになります。ブッダは若かりし頃のキアヌ・リーブスが演じていて、彼の若い肉体を見ることが出来ます。
さて、チベットにたどり着いたジェシーは、同じく高僧の生まれ変わりの候補とされた現地の子供達と交流を深めながら、チベット密教の教えや儀式を受けていきます。
そして生まれ変わりの認定を受けた直後、ラマ・ノルブが死去します。ジェシーに対して「次はあなたが私を見つけてください」という言葉を残して。
映画は、ノルブの遺灰をシアトルの海に撒くシーンで終わりを迎えます。
映画は欧米人に向けて、ブッダや仏教のあり方をわかりやすく説明しているところもあり、ブッダと仏教についての見識を深めることが出来ると共に、チベット密教の考え方、輪廻転生がどのようなものか、そしてそれがどうやって維持されているのかについて知ることも出来ます。
映画で描かれているチベットの叙情的な風景と坂本龍一による感傷的な音楽は、ヒーリング効果を含んでいて、映画を見終わった時には、何かしらの救いを得た気持ちになりました。

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リアルスティール

公開直後に妹と2人で観に行き、2人して号泣して、DVDまで買った作品。人にもオススメしています。
舞台はロボット同士のボクシングが流行っている未来。ヒュージャックマン演じる主人公は、とにかくお金のことしか頭にないダメな男。ロボットを買うために人に借金をして、戦略もなしに試合をさせ結局ボロ負けでロボットは壊れて、そしてまた新しいロボットを借金して買って、の繰り返し。そんな彼の元妻が交通事故で亡くなり、離れて住んでいた息子が彼のとこに転がり込んできます。最初は子どものことなんかほったらかしですが、次第に2人は親子の絆を取り戻していき・・・というストーリーです。とにかくロボット同士の戦いのシーンの迫力がすごいです。私は女ですが、興奮してしまいました。そして何より2人が絆を取り戻していくところが泣けます。お父さんなんて呼ばなかった子どもが、最後にはお父さんと呼んで二人で抱き合うシーンは何回観ても好きです。ストーリーとしてはベタですが、何回も観たくなるのはなぜでしょうね。アメリカの風景もすごく素敵だし、音楽もぴったりです。トラックでの荒削りな生活にもどこが憧れを感じます。この映画を観ると、すごく元気が出るんです。もちろん自分が戦うなんてことはありませんが、諦めずに頑張ろう、って気持ちにさせてくれます。不可能なことなんてないんだ、自分を信じて頑張ろうと毎回思わせてくれるので、疲れているときや落ち込んでいるときは必ずこの映画を観ますね。それだけじゃない、家族を大切にする気持ちも教えてくれます。私はもう23歳で、世間では大人のくくりです。しかし、父は今でもかっこいいし、私のヒーローですね。ちなみに父ともこの映画を観ましたが、父もこの映画をものすごく気に入っていました。もしかしたら父も、自分のお父さんを思い出したのかもしれません。久しぶりにいい映画に出会いました。男の子と観てもこの映画は盛り上がれるからいいですね。これからもずっと自分の中で大切にしていきたい映画です。

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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日

先月鑑賞した「ライフ・オブ・パイ」は、いままで観た映画のなかでも3本の指に入るくらい面白かったです。CMやトレーラーでは少しグロイ描写もあるのかな?という印象だったので、だいぶ長い間観るのを躊躇っていた映画でした。でも観た人からの評判がすごく良かったのと、CMで流れた星空が綺麗だったのが印象に残っていて、何人かで見れば怖くない!と思い実家に帰ったときにDVDを借りて家族で鑑賞しました。
 まず観ていて思ったのがパイ役のスラージ・シャルマさんの演技が本当にすごい!まだ幼い方だと覚えているのですが、表情や仕草が本当に健気で、そのときの場面場面にぴったりの演技だと感動しました。これがデビュー作だなんて信じられない。また彼の登場する物語を観てみたいな、と思わせてくれます。こういった俳優さんに出会えるというのが映画の素晴らしいところですよね。
 内容は、やはり漂流ものなので過酷な状況を生き残るまでの過程が胸に痛く、かわいがっていた動物の死への苦悩やパイ自身の死への恐怖も切に伝わってくるのでとてもはらはらどきどきします。「トラとボートで漂流する」という絶望的な状況なので、パイは助かるのか?助かるとしても、体のどこかはトラ(リチャード・パーカー)に食べられてしまうのか?それともパイがリチャード・パーカーに一矢報いるのか?…など、観ている最中に思考がぐるぐる、まるで初めて映画を観たときのような気持ちにさせてくれます。
 わたしが特に心に残ったのが、最後に島に漂着したシーン、「リチャード・パーカーが挨拶もなしにジャングルに行ったのが悲しかった」というパイの心情です。殺伐とした生死への戦いを乗り越え、相棒のようになっていたパイとリチャード・パーカー。だけどそのような気持ちでいたのはパイだけだったのか?というパイへの感情移入と、生死の狭間であっても情がまだ残っているのか、というなんとも複雑な気持ちを感じました。ひとつの映画でこのような充実した感情を与えてくれたこの映画に本当に感謝しています。

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ライフ・イズ・ビューティフル

物語は、ユダヤ系イタリア人グイドと妻のなれ初めからはじまるのですが、まぁこの時のグイドがヘラヘラしてて見てるとちょっとムカッとくるくらい。そのヘラヘラしたところは変わらず、妻と結婚、息子が生まれます。息子の前でもヘラヘラといつでも楽しそうなグイド。
 やがてユダヤ人が迫害を受けるようになり、収容所への強制収容が始まります。収容所に送られるまでの道中から、収容所での苦しい労働まで、すべてを「旅行」や「ゲーム」だと嘘をつき、どんなに苦しいときでも笑顔を見せるグイド。「いい子にしてると点数がもらえて、泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。1000点たまったら戦車が貰えて家に帰れるんだ」という父の言葉を息子は信じて生き延びていく。
 やがてナチスが撤退し、収容所に連合軍の「戦車」があらわれ息子らを解放。父の嘘は本当になり、息子は戦車に乗って母の元に帰る。しかしグイドは帰って来ない。

 最期まで息子の前で陽気に振る舞うグイドの姿に涙がぽろっと溢れます。最期の最期まで、家族を愛し、家族を守ろうとするその様が、序盤のヘラヘラした軽い印象とはまったくことなり、頼もしさというか、男の生き様というか、そんなものすら感じさせます。
 この映画はユダヤ人の大虐殺を取り扱ったものではありますが、私の感想としては、そういったものはすべて背景で、本当に描写されているのはグイドの人柄ではないかと思います。辛い労働に耐え、息子の前では笑顔、息子だけでなく周囲の人間すら笑顔にするような、グイドの人柄。
 辛い状況でも笑顔で乗り越える、本当の強さや、愛情みたいなものをこの映画から強く感じました。
 戦車に乗って母親のところへ戻る息子の描写が最後にありますが、父の死を息子がどうやって知るのか、知ったときどうするのか、などその後にも想像がおよぶようなラストで、観た後もしばらく涙が止まらず、想像にふけってしまいました。名作といわれるものにはちゃんと理由があるのだと感じました。

ライフ・イズ・ビューティフル [Blu-ray]

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ゼロ・グラビティ

スペシャリスト、専門的な知識を持つ宇宙飛行士であるライアンが作業中に事故に遭遇し、ベテランの宇宙飛行士であるコワルスキーに助けられその後宇宙を漂流しながらなんとか地球へ辿り着くという話。

 正直宇宙に関する知識は何もないのでどこまでこの映画に書かれいることが真実なのかなどといったことは全くわかりませんが
直観的にみてとても面白い物語でしたし、映像だけ見ていても実際の宇宙へ行ったような感覚になれたということで私は楽しむことが
できました。しかし、インターネット上の批評ではありえないなどといった専門分野からの意見なども多くみられ賛否両論に分かれているようでした。

 私が単純によかったところはコワルスキーという人物がとても興味深いところにあります。この映画の中において彼は全くといっていいほどに死ぬことを
恐れはしませんでした。あっさりと自分の運命を受け入れることによってライアンの手を離し、その後も通信ができるまで彼女と交信しどうやって地球へ
戻ればいいのかを指示し続けていました。
 そして印象的だったシーンはライアンがソリュース?でシェンツーへ向かう際に故障で動けなくなり地球との交信もうまくいかないことを悟り
死を受け入れようとし宇宙船の電源を落としていくとコワルスキーが不意に戻ってくる場面です。彼女はその際にはじめドアを開けることが億劫な
様子でした。そこへ彼が何事もなかったかのように戻り再び宇宙船の電源を入れていきます。そして彼女に必ずなにか方法があるはずだともう一度
試してみるように説得します。
 彼女があまりいい顔をしていないことにコワルスキーが気づくと彼は彼女に対して確かにここで一人電気を消して閉じこもっていれば傷ことはない
かもしれない、でも地球へ戻りたいと思うのならなんでそれを行動に移さないのですか?というようなことを言って彼女が心に絶えず抱えていた絶望
(娘が事故で死んでしまったこと)に対して向き合うよう鼓舞して、また消えていくところです。

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ゼロ・グラビティ | おすすめ映画ナビ

メイジーの瞳

この映画は両親の離婚問題に振り回される幼い少女の話です。
絵画にまつわる仕事をする父親は離婚後ベビーシッターの女性と再婚し、ロック歌手の母親はバーテンダーの青年と再婚します。
どちらも娘メイジーの親権を得るために必死になるのですが、その結果メイジーにとって寂しい思いをさせてしまうことに気づきません。
10日ごとに父と母の家を行き来する中で、メイジーはまたしても大人たちに振り回されてしまいます。
そんなメイジーに手を差し伸べ救ったのは両親の再婚相手達でした。

初めはよくある離婚問題と親子の関係をメインにしたストーリーだと思ったのですが、視点が娘メイジーによるものなのでとても新鮮に鑑賞することができました。
何よりも血のつながりがすべてではないことと、それでも親というものの絶対的な存在感を感じることが出来ました。

また、映画の中でメイジーが着ている衣装がどれもキュートで、それだけでも楽しく見ることが出来ます。
そしてそれを際立たせるためなのか、バーテンダーのリンカーンはずっと同じ衣装だったのも面白かったです。

特に強く感じたのは両親の不仲に関して娘メイジーは泣くでもなく、暴れるでもなくただじっとその様子を見ているシーンの切なさです。
子供ながら何かがおかしくなっているのは感じるもののどうにも出来ない心境がとても伝わってきました。
大人が言い争い、お互いの足を引っ張ろうとしている中で、メイジーだけが落ち着いて、誰よりも大人びて見えました。

一方、バーテンダーのリンカーンといる楽しい時間ではメイジーはとてもキラキラしていて年相応の天真爛漫さがありました。
リンカーンに纏わりついてはなれなかったり、仕事に行かなくては行けなくなったリンカーンにわがままを言ったりとても子供らしさが目立ちます。
両親といるときのわざとらしく、どこか寂しい笑顔ではなく心からの大きな笑顔がとてもかわいかったです。

この映画を通して感じたことは子供を子供らしく過ごさせてあげるのは親の仕事なんだなと思いました。
親が頼りなかったり、問題を抱えていると子供はどうしても上手に甘えることが出来ません。
子供が子供らしくいるために大人がしっかりと子供を見守り手を差し伸べていかなくてはいけないと思いました。

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テッド

『テッド』は、セス・マクファーレン監督・脚本・製作による2012年公開のアメリカ映画です。『テッド』とは、映画の真の主人公とも言える話すぬいぐるみのテディベアの名前です。
物語は主人公ジョンの子供時代から始まります。雷に怯えるナイーヴなジョンが神様にお祈りすると、テディベアのテッドに命が宿り、彼は話をできるようになるのです。そうして二人は無二の親友になります。
それから月日がたち、ジョンはレンタカー屋で働く35歳の平凡な男になっています。かつて話をするぬいぐるみとして取りはやされたテッドも世間に受容されると共に忘れ去られています。ジョンには広告代理店に勤める美しい恋人ローリーがいるのです。そしてジョンはローリーとの結婚を意識するのですが、その二人にとってテッドの存在が問題になってきます。幼い頃からジョンとともに育ったテッドには、ジョンと共通の趣味と笑いのツボがあるのですが、それがローリーには理解できないのです。
そうしてジョンは、テッドとローリーいずれかの選択を迫られるようになるのです。
『テッド』の物語はこのように展開するのですが、この映画最大の魅力はなんと言っても生きるぬいぐるみであるテッドの容姿と話し方にあります。
英語版ではテッドの声は監督であるマクファーレンが勤めているのですが、そのスピード感溢れる話し方がとても魅力的で、テッドに対する親しみを増すのに貢献します。また、テッドの品のない言動は、常に笑いを誘います。可愛らしいテディベアなのに、煙草を吹かし、酒を飲み、麻薬にまで手を出しているのですから。
またジョンとテッドにとってのヒーロー、映画『フラッシュゴードン』の主役サム・J・ジョーンズが本人役で登場する場面など、あまりにもばかばかしいシーンの連続で、声を出して笑える場面が続きます。
このように『テッド』は下ネタのオンパレードとも言えるコメディー映画なのですが、終盤での物語は一気にシリアスなものに変ります。そして見るものに、仄かな感動を与えて物語は終わり方を迎えます。
『テッド』はコメディー映画でありながら、ヒューマンドラマとしての側面もあって、見応えのある映画になっています。

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 テッド - おすすめ映画日記

ももへの手紙

東京で暮らしていた主人公・三浦ももは、些細なことがきっかけで、父親とけんかをしてしまう。
謝りたかった父親は「ももへ」とだけ書いた手紙を引出しに入れ、仕事へ出かけたが、仕事先で亡くなってしまった。
ももは、深い悲しみと仲直りできなかったことへの後悔を胸に、その後生活していた。
ももとももの母親・いく子は生活上の理由で、東京から瀬戸内海にある汐島へ移り住むことになった。
都会の生活に慣れていたももにとって汐島での生活は戸惑いの連続だった。
なかなか周囲に心を開かないももだったが、ある日屋根裏で本を見つける。
その本には沢山の妖怪の絵が描かれていた。
ある日、母親が新しい仕事を見つけるために、ももを残して出かけると、イワ・カワ・マメという三人の妖怪がももの前に現れる。
三人の妖怪は、ほかの者には見えていなかった。
妖怪たちは毎日のように街で悪行をつくし、食べ物や小物などを盗み取っては屋根裏へ持って帰っていた。
盗んでいるのが、ももだと勘違いした母親とももはけんかをし、ももは家出をしてしまう。
雨の中ももを探した母親は、持病のぜんそくを起こしてしまう。
夜になって家へ戻ってきたももは、母のために台風が来ているなか、三人の妖怪とともに医者を連れてくるために隣の島へむかう。
ももたちのおかげで、母の病気はよくなり二人は仲直りをする。
三人の妖怪は本の中に戻ることになった。
妖怪の一人のマメは、ももに一枚の手紙を残していた。
実はマメは、父親であったのだ。
手紙を読んだももは、父の気持ちを知る。
父への後悔の気持ちは薄れていき、父への変わらない深い愛情へと変えることができた。

やはり、瀬戸内の景色の美しさと、ユーモラスで不気味に描かれている妖怪の面白さは印象的でした。
妖怪の悪行に付き合っていくももが、うんざりしながらも周囲に心を少しずつ開いていく姿が、小学生の繊細な感性をうまく映し出していて、見ていて懐かしい気持ちになりました。
マメのキモかわいい姿は、終わってからも、つい思い出してしまうほど印象深かったです。

物にあふれた都会から田舎に来たももが、自然にあふれた田舎で違う遊び方や楽しみ方を見つけていく姿は、「都会には都会にしかない楽しみ方があるように、田舎には田舎にしかない情緒や楽しみ方があるな」と改めて感じさせてくれました。
自然しかない田舎で、自然とともに生きるという経験をするももの姿が、心身ともにだんだんたくましくなっていって楽しめました。
やっぱり田舎生活って、子供には大切な経験ですね。

ももへの手紙 [DVD]

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メランコリア

メランコリア』は、ラース・フォン・トリアー監督によるデンマーク映画です。
冒頭、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が流れる中、印象派の絵画を思わせる複数の静止画が描写され、ある終局に関する事柄が示唆されます。


しかし、その示唆された終局とは真逆の、結婚式の模様から映画は始まります。
舞台はヨーロッパのどこか、田園風景が広がるとある別荘です。そこで若い二人による馬鹿馬鹿しいけれどハッピーな結婚式が家族臨席のもと挙行されるのです。しかし突然マリッジブルーに襲われた花嫁が結婚を拒否するような言動を示し始めます。花嫁の姉が必死になだめパーティーを維持しようとしている最中、別の事柄が発生するのです。


映画の中盤以降の展開には、本当に度肝を抜かされます。
この映画はSFでもミステリーでもなく、シリアスなドラマなのですが、とにかく「まさか」と思わせる終局が待っています。いくら冒頭で示唆されているとはいえ、その終局が前半で展開されていたドラマとは全く関係がなく、しかもその終局に対して登場人物が対抗することなどできはしないので、登場人物達が終局に晒される状況を観客はただ唖然と見守ることしかできないのです。


この点がよくあるアメリカのパニックアクション映画とは真逆なのです。アメリカ映画だと、ヒーローが活躍することで地球の破局が救われ、最後はハッピーエンドになるのですが、この『メランコリア』ではそのようなハッピーエンドにはなりません。
映画の最後には、映画史上屈指のラストシーンが待っています。しかもバッドエンドを迎えるラストシーンが、です。
世界で最も幸せな国、デンマークの作品とは思えないほどの、悲劇的で救いのない、絶望感に満ちた終わり方をこの映画は迎えます。
見た者はすべて文字通り、メランコリー(憂鬱)になるに違い有りません。
しかしその終局があまりにも美し過ぎるのです。もし世界の終わりがこのように美しいものであるならば、このように私たちの人生は終わってもいいのではないか、と思えるほどです。
このように『メランコリア』はあまりにも破局的な終わりを迎える救いのない映画ですが、ただひたすら最後の瞬間の美しさだけが、その救いのなさを救っていると言うことが出来るほど、美しい映画でもあるのです。

メランコリア [Blu-ray]

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メアリー&マックス

この映画は、2009年オーストラリアで制作されたクレイアニメです。メルボルンに住む8歳の少女メアリーと、ニューヨークに暮らす44歳のマックスの文通を軸に、それぞれのドラマや心温まる交流を描いた作品です。クレイアニメというと「ウォレスとグルミット」等が有名で子供向けのように思われがちですが、本作は大人にこそ見てもらいたい作品です。
この二人の主人公は、形は違えど「生きにくさ」を感じています。メアリーはネグレクトの母親や学校でのいじめに苦しみ、マックスはアスペルガー症候群を抱えています。このように言うと本作は随分暗い話のように思えますが、そこはクレイアニメ独特の可愛らしさでカバーされ、生々しさは抑えられています。こういったシリアスなストーリーをクレイアニメで作るという部分に最初は違和感を覚えましたが、見ていくうちにみるみる引きこまれてしまいました。見終わった後は、むしろキュートなクレイアニメだったからこそ、登場人物たちの悲痛感が一層伝わってきたように思いました。マックスはメアリーに一時期心を閉ざしてしまったり、結婚したメアリーも夫が浮気して駆け落ちしてしまったりと、踏んだり蹴ったりなのです。しかし、うまくいかない人生だけども、懸命に生きようとする健気な二人の姿には涙がこぼれそうになります。
また、本作ではアスペルガー症候群のマックスの気持ちを描いたシーンが随所にちりばめられています。毎日の規則正しい習慣を破られると混乱する様子や、大人になったメアリーがよかれと思ってマックスの病気について本を書いたら激怒してしまったことなど、健常者にはなかなか分かりにくい、障碍のある方の思いを理解する一助になると思います。もちろんすべてのアスペルガーの人がマックスと同じように考えるわけではないでしょうが、少なくとも健常者と思考回路は違えど、彼らなりの理論があることに気付くことはとても大切だと思います。そういった意味で本作は、アスペルガー症候群の人を理解する上で役に立つ作品でもあると思います。

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マリー・アントワネット

オーストリアから14歳でフランスへ嫁いできたマリー・アントワネット。冒頭の、国境を越えて嫁ぐ行程を描く場面から印象的でした。国境を超える境目で、全ての衣類を着替え、オーストリアからフランスの人間になる儀式が行われていました。時代と階級が違いすぎて、私たちには想像もできない、マリーアントワネットの結婚です。
 朝目覚めるときから大勢の女中たちに見守られ、着替えすら自らの手では行わないという、位の高さ。ヴェルサイユ宮殿での暮らしに戸惑うアントワネットと共に、驚きの連続です。しかし、見ているこちらが戸惑っているうちにも、アントワネットはそこでの生活を覚え、前向きに楽しみ始めます。贅沢三昧の毎日です。見るからにスイートな、かわいい色にあふれた贅沢なお菓子たちや、いろとりどりのドレスや靴。そんな贅沢を心から楽しむマリーアントワネットに、共感しない女子はいないでしょう。流行の最先端はマリーアントワネットが作っていくようです。お抱えの美容師に注文する盛り髪は、昨今の成人式なんて目じゃないくらい、高々と、笑えるほどに盛られています。軽快なロックにのせてお姫様の無責任な贅沢三昧が描かれていくところは、この映画の見せ所だと思いました。
 その後王妃となり、夫との微妙な関係を克服して、世継ぎを出産しますが、多くの人に見守られる中で行われる出産は、一人の人間でありながら世界の共有物であることを如実に語り、衝撃的でした。わが子に心を注ぐやさしい母親となったマリーアントワネットですが、子育ての為に用意してもらった別宅で、恋も謳歌します。そのドキドキ感と、幸福感。不倫であろうと非難されようと、恋は恋、女を幸せにするものなのです。恋にうつつをぬかすマリーアントワネットは、一番魅力的でした。
 しかし、不況の波にのまれ財政難に陥っていたのが、宮殿の外の世界です。、フランス国民は不満を募らせ、暴徒となって宮殿を襲います。そのときの、毅然とした態度は、王妃としてのプライドと、母としての強さに裏打ちされた、唯一無比のものでした。
 パステルカラーに彩られたお姫様の世界を描くガールズムービーとして、世界中の女の子の共感を呼ぶ映画です。そしてまた、マリーアントワネットの人物像を描いた物語としてもとても心に響くものがありました。

マリー・アントワネット (通常版) [DVD]

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マトリックス

この映画は私たちが普段生活している世界を仮想現実だといいそれは脳の電気通信によって見させられている幻であり本当は暴走した人工知能たちによって作られ搾取されている奴隷でしかないという真実との戦いの物語と言っていいでしょう。

 普段はソフトウェア会社に勤務する一方で伝説的なハッカーでもある主人公ネオはある日自宅のパソコンに知らない人物(もしくはそれもまた伝説的なハッカーだったかもしれません)から謎に満ちたメッセージを受け取りました。彼は疑いながらもそのメッセージに沿って夜、クラブへ行くとそこでそれまた謎に満ちた女性と出会いました。

 翌日彼は会社にいるとフェデックスで小包が届きます。中には携帯電話が入っていてそれが突然なりだしました。今度は男の声でいまからあなたのことを警察が捕まえにくるので私の指示に従って逃げなさい、さもなければあなたは刑務所に入れられてしまいますという。彼は電話を持って指示通りにオフィスが入っている高層ビルの窓の外へと出るのだが途中で怖くなりその声を無視してしまいました。

 警察に捕まってしまったネオはハッカーから足を洗うか、刑務所にぶち込まれるかと迫られるが弁護士を呼べとその要求を突っぱねました。するとそのサングラスかけた
刑事は呼べるものなら呼んでみろと言ってネオの口をなくしてしまう。自分の口がなくなりパニックになっているネオはお腹に今度は機械でできた虫のようなものをへそからいれてしまいます。

 その後昨日出会った女性と電話をかけてきた男と合流しネオはその虫を腹からだしてもらいました。そして男は青いピルと赤いピルを取り出して、真実を見たければ赤いピルを、このまま今のことは忘れてもとにいた世界に戻りたいのならば青いピルを取りなさい、そうしたらそこであなたはもとにいた世界に戻れる。もし赤いピルを飲んだのならばもといた世界に戻ることはできないとネオの前にとりだしました。

そして主人公は赤いピルを飲んだのでした。

 

ボクたちの交換日記

芸人の内村光良氏が監督・脚本をつとめ、放送作家の鈴木おさむ氏の原作「芸人交換日記」を映画化した作品です。
ある1組の売れない芸人のコンビが交換日記を通じて信頼を深め、時には気持ちがすれ違いぶつかり合ってしまうという話です。

この作品の1番の見どころは、交換日記を通じて過去・現在、そして未来をも紡ぐという構成だと思いました。


文字で思いを伝える手法として、手紙が真っ先に思いつくものだと思います。
しかし交換日記とすることで、手紙ではなかなかやりにくい文字での会話を実現しています。


そこには普段面と向かって言うことのできない思いや、過去のことなどを書くこともできます。


それが最初こそ2人の信頼を深め合うことになるが、段々と亀裂が生じ2人の関係が崩壊していく。
しかし最後にはなぜこんな亀裂が生じることになってしまったのかが交換日記によって明らかになり、一気にフィナーレへと持っていく。
最後の展開は熱くなるものがありました。

この映画の監督・脚本は芸人の内村光良氏です。
昨今、著名人の小説や監督作品などが多く出ておりそれだけで若干の不安を抱いている方も多いと思います。
しかしこの作品は内村氏の人の良さが全面にでている、そう感じました。
もちろん、本人を知っているわけではありません。
しかしテレビで見ているときのほのぼのとした感じや、安心感がある様などがよく伝わってくる映画だと感じました。


コンビ間のやりとりは実にコミカルでテンポも良く、主演を演じる2人の演技もあいまって何度も笑ってしまいました。


しかしそんなコミカルなものでも物語の最後への伏線がしっかりと張られていて、
最後にまさかあの言葉で感動させられることになるとは思ってもみませんでした。
芸人のコンビを通じた男と男の友情の物語。


たとえ相方に誤解されようとも自分を犠牲にしようとも、相方のことを最大限に思った男がとった行動。


その意味を知った時、相方はいったいどうするのか。
全てを紡ぐのは1つの交換日記。


過去から未来へと続くある1組の芸人コンビのストーリー。
久々に感動できる映画に出会えました。